第72章 「さやケし」の「ケ」と「さやかに」の「か」  ―ク形容¥A¥群

【1】ケし型形容詞・かに型形容動詞 (1)語幹末尾が「ケ乙」であるク活用形容詞をケし型形容詞と呼ぶ。 「あきらケき〈安伎良気伎〉」[万20 ―4466]・「かそケき〈可蘇気伎〉」[万19 ―4192]・「さやケき〈佐夜気 … 続きを読む

第73章 ク活用する助動詞「∧”し」  ―ク形容YO¥群

【1】助動詞「∧”し」の遷移過程 助動詞「∧”乙し」の第一音素節は、近畿語では「∧”乙」だが、東方語では「べ甲」になることがある。 [近畿] 相ひ見ずは 恋ヒしくある∧”し … 続きを読む

第74章 葦原ノしけしき小屋・葦原ノしコ男  ―シク形容¥OY群

【1】シク活用「しけし」と「葦原ノ醜男」 (1)シク活用連体形「しけしき」。 シク活用「しけし」がある。「小屋」を修飾する場合なら、“貧粗な”と訳せる。 葦原ノ しけしき〈志祁志岐〉小屋に[神武記歌19] (2)しコ男・ … 続きを読む

第75章 シク活用「異し」「うらめし」  ―シク形容¥∀Y群

【1】「異し」がシク活用になる理由 「異し」の語幹末尾の音素節は近畿語でも東方語でも「け甲」であり、他の音素節に変化しない。 [近畿] 逢はざれド 異しき〈家之伎〉心を 吾が思はなくに [万15 ―3775] [東方]  … 続きを読む

第76章 ク活用「繁し」「まねし」  ―ク形容¥∀¥群

【1】ク活用「繁し」 ¥∀¥ ク活用形容詞「繁し」の第二音素節は近畿語でも東方語でも常に「ゲ乙」である。 [近畿] 吾が胸痛し 恋ヒノ繁き〈之気吉〉に[万15 ―3767] [東方] 小筑波ノ 繁き〈之気吉〉木ノ間よ 立 … 続きを読む