第四編 兼音素¥とサ変・カ変と動詞已然形
第19章 否定助動詞「ず・にす」 N¥+SU
§1 否定助動詞「ず・にす」の終止形は「N¥+SU+W」 【1】否定助動詞の終止形は「にす」にも「ず」にもなる 家モ知らず〈始羅孺〉モ[皇極紀3年 紀歌111] 行方知らず〈不知〉モ 一云、(中略)帰辺知らにす〈不知尓為 … 続きを読む
第20章 近畿語の「思ふ」「面」「持つ」の「モ乙」が駿河の言語で「メ乙」になる理由
【1】駿河の言語「思ふ」・「面」・「持つ」・「薦」・「言」・助詞「メ」と遠江の言語「遠」などの遷移過程 近畿語で「オ乙」段の音素節が、駿河国の東方語で「エ乙」段になることがある。また、近畿語で「オ乙」段の音素節が、駿河国 … 続きを読む
第21章 サ変動詞「為」の活用
【1】上代語サ変動詞「為」の用例(未然・終止・連体・命令・語胴) 《未然》仮定用法。 「せ」になる。 嘆き為ば〈世婆〉 人知りぬ∧”み[万7 ―1383] 《未然》ずむ用法。 近畿語・九州語では「せ」になるが … 続きを読む
第22章 カ変動詞「来」の活用
§1 上代語「来」の活用 【1】上代語カ変動詞「来」の用例(未然・終止・連体・命令・語胴) 《未然》 仮定用法。 御船泊てぬト 聞コイエ来ば〈許婆〉[万5 ―896] 《終止》 浦潮満ち来〈久〉 いまだ飽かなくに[万15 … 続きを読む
第23章 動詞已然形の接続用法と コソや用法
§1 万葉集では「等」「登」は清音を表す仮名 「世ノ人ノ 尊び願ふ 七種ノ 宝モ吾れは」で始まる万5 ―904には清音「ト」や濁音「ド」を表す仮名「登」「等」「杼」が数多く用いられる。それらの仮名の清濁の識別について述べ … 続きを読む