第10章 上代語連体形「見る」「居る」「過ぐる」「生ふ」の遷移過程
§1 上代語連体形「見る」の遷移過程 上代語の連体形「見る」の語素構成は、動詞語素MYに、活用形式付加語素YRYと、動詞連体形の活用語足AUが続いたもの。 《連体》 見る=MY+YRY+AU→MYYRYAU 父音素にYY … 続きを読む
§1 上代語連体形「見る」の遷移過程 上代語の連体形「見る」の語素構成は、動詞語素MYに、活用形式付加語素YRYと、動詞連体形の活用語足AUが続いたもの。 《連体》 見る=MY+YRY+AU→MYYRYAU 父音素にYY … 続きを読む
§1 助動詞「らし」「らむ」への接続 【1】四段・上甲段・上二段動詞に「らし」「らむ」が続く用例 (1)四段・上甲段・上二段動詞に「らし」が続く用例。 [近畿]《四段》 蘇我ノ子らを 大王ノ 使はすらしき〈兎伽破須羅志枳 … 続きを読む
§1 未然「ヒ乙」・連用「ヒ乙」・終止「ふ」と活用する動詞「干」 平安語で上一段活用する動詞「干る(乾る)」は上代語ではどのように活用するか。 橋本進吉は「上代に於ける波行上一段活用に就いて」『橋本進吉博士著作集第五冊上 … 続きを読む
動詞連用形には、その動詞を体言化する用法がある。その場合の活用語足はYだと推定する。 《四段》 君が行き〈由伎〉 日長くなりぬ[万5 ―867] 行き=ゆK+Y→ゆKY=ゆき甲 《ナ変》 死に〈志尓〉ノ大王[仏足石歌20 … 続きを読む
§1 「家」第二音素節が「へ甲」「ひ甲」「は」「∧乙」に変化する理由 【1】「家」第二音素節は「へ甲」「ひ甲」「は」「∧乙」に変化する 上代語では「家」第二音素節は四通りに変化する。近畿語では常に「へ甲」になる。東方語で … 続きを読む
§1 動詞命令形の活用語足はYOY (1)四段動詞命令形語尾は、え甲エ乙識別行の場合、近畿語では「え甲」段だが、東方語では「エ乙」段にもなる。 [近畿] 君が来まさば 鳴け甲〈奈家〉ト言ひし 山ほトトぎす [万18 ―4 … 続きを読む
【1】「たまふ」は「たぶ」になることがある 「賜ふ」「賜ひ」は多くの場合「たまふ」「たまひ」と読まれる。 鎮メたまふ〈多麻布〉ト い取らして 斎ひたまひし〈多麻比斯〉 [万5 ―813] 一方、「賜ふ」「賜ひ」は、「まふ … 続きを読む
§1 動詞未然形仮定用法の遷移過程 【1】動詞未然形の仮定用法・ずむ用法 動詞未然形は二つの用法に分類できる。 未然形仮定用法は、助詞に上接して仮定条件を表す用法である。 未然形ずむ用法は、「ず」「む」など助動詞に上接す … 続きを読む
§1 否定助動詞「ず・にす」の終止形は「N¥+SU+W」 【1】否定助動詞の終止形は「にす」にも「ず」にもなる 家モ知らず〈始羅孺〉モ[皇極紀3年 紀歌111] 行方知らず〈不知〉モ 一云、(中略)帰辺知らにす〈不知尓為 … 続きを読む