第20章 近畿語の「思ふ」「面」「持つ」の「モ乙」が駿河の言語で「メ乙」になる理由
【1】駿河の言語「思ふ」・「面」・「持つ」・「薦」・「言」・助詞「メ」と遠江の言語「遠」などの遷移過程 近畿語で「オ乙」段の音素節が、駿河国の東方語で「エ乙」段になることがある。また、近畿語で「オ乙」段の音素節が、駿河国 … 続きを読む
【1】駿河の言語「思ふ」・「面」・「持つ」・「薦」・「言」・助詞「メ」と遠江の言語「遠」などの遷移過程 近畿語で「オ乙」段の音素節が、駿河国の東方語で「エ乙」段になることがある。また、近畿語で「オ乙」段の音素節が、駿河国 … 続きを読む
【1】上代語サ変動詞「為」の用例(未然・終止・連体・命令・語胴) 《未然》仮定用法。 「せ」になる。 嘆き為ば〈世婆〉 人知りぬ∧”み[万7 ―1383] 《未然》ずむ用法。 近畿語・九州語では「せ」になるが … 続きを読む
§1 上代語「来」の活用 【1】上代語カ変動詞「来」の用例(未然・終止・連体・命令・語胴) 《未然》 仮定用法。 御船泊てぬト 聞コイエ来ば〈許婆〉[万5 ―896] 《終止》 浦潮満ち来〈久〉 いまだ飽かなくに[万15 … 続きを読む
§1 万葉集では「等」「登」は清音を表す仮名 「世ノ人ノ 尊び願ふ 七種ノ 宝モ吾れは」で始まる万5 ―904には清音「ト」や濁音「ド」を表す仮名「登」「等」「杼」が数多く用いられる。それらの仮名の清濁の識別について述べ … 続きを読む
§1 意志助動詞終止形・連体形が近畿語で「む」、東方語で「も」になる理由 【1】意志助動詞終止形・連体形が近畿語で「む」、東方語で「も」になる用例 (1)意志助動詞終止形は近畿語では「む」、東方語では「も」になる。 『万 … 続きを読む
§1 平安語の撥音便「あはん」の遷移過程 上代語の意志助動詞の終止形「む」・連体形「む」は平安語では撥音便「ん」になることがある。 《終止》 うつろふ秋に あはんとや見し[古今和歌集5 ―271] 《連体》 袖はかはかじ … 続きを読む
§1 単音節下二段動詞と複音節下二段動詞 下二段動詞には単音節下二段動詞と複音節下二段動詞がある。 下二段動詞(下二段活用する補助動詞・助動詞を含む)を単音節下二段動詞と複音節下二段動詞に分ける。 単音節下二段動詞は、上 … 続きを読む
【1】東方語の複音節下二段動詞の語尾が「あ」段・「え甲」段になる用例 近畿語では下二段動詞の語尾はすべて「エ乙・え丙」段である。他方、東方語では複音節下二段動詞の語尾が「あ」段・「え甲」段になることがよくある。 (1)東 … 続きを読む
§1 「焼ケむ柴垣」の「焼ケ」は可得動詞 【1】四段動詞が下二段活用に転じて可得動詞になることがある (1)「焼く」は下二段「焼ケむ」の用例では自発・受動の意味を持つ。 橋本進吉は『橋本進吉博士著作集第七冊国文法体系論』 … 続きを読む