第30章 動詞連用形体言用法・つてに用法
§1 動詞連用形体言用法 【1】動詞連用形体言用法の活用語足はY 第4章で述べたように、「籠モり水」では四段動詞の連用形「籠モり」は後続の名詞「水」を修飾するが、その活用語足はYである。このことを一般化して、動詞連用形が … 続きを読む
§1 動詞連用形体言用法 【1】動詞連用形体言用法の活用語足はY 第4章で述べたように、「籠モり水」では四段動詞の連用形「籠モり」は後続の名詞「水」を修飾するが、その活用語足はYである。このことを一般化して、動詞連用形が … 続きを読む
§1 現代語の促音便「持って」「取って」の遷移過程 【1】上代語で「持ちて」が「モて」になる理由 四段動詞「持つ」に助詞「て」が続く場合、「モちて」になることもあり、「モて」になることもある。 まそ鏡 手に取り持ちて〈毛 … 続きを読む
§1 ラ変動詞「有り」 【1】上代語ラ変動詞「有り」の用例 《未然》 仮定用法。 国に有らば〈阿良婆〉 父取り見まし[万5 ―886] 《未然》 ずむ用法。 妹ト登れは 嶮しくモあらず〈阿良受〉 [仁徳記歌70] 今コソ … 続きを読む
§1 尊敬助動詞「す」 OAYS 【1】四段動詞に尊敬助動詞「す」が続く場合、動詞語尾は「あ」段になることが多いが「オ乙・お丙」段・「え甲」段になることもある [上代1] 四段動詞語尾が「あ」段になる用例。 《未然》 仮 … 続きを読む
§1 近畿語「過ぐす」が東方語で「過ごす」になる理由 (1)上二段動詞「過ぐ」。 新治 筑波を過ギ〈須疑〉て [景行記歌25] 動詞「過ぐ」は上二段だから、その動詞語素は「すGW」である。 (2)四段動詞は近畿語で「過ぐ … 続きを読む
§1 “時”を表す「う」 “時”に関する単語の中には、末尾音素節が「う」段のものがある。「何時」「明日」「昼」「夜」である。 か黒き髪に 何時〈伊都〉ノ間か 霜ノ降りけむ[万5 ―804] 君が目を 今日か明日〈安須〉か … 続きを読む
【1】「射ゆ猪」の用例 射ゆ〈伊喩〉猪を 繋ぐ川傍ノ 若草ノ 若くありきト 吾が思はなくに[斉明紀4年 紀歌117] 射ゆ猪〈所射鹿〉を 繋ぐ川傍ノ 和草ノ 身ノ若か∧に さ寝し子らはモ[万16 ―3874] 【2】 … 続きを読む
【1】東方語否定助動詞「なふ」の用例 東方語では否定助動詞として、近畿語と同じ「ず」も用いられるが、「なふ」も用いられる。 《終止》 なふ。 去にし宵より 夫ロに逢はなふ〈安波奈布〉ヨ[万14 ―3375東歌] 《未然》 … 続きを読む
§1 東方語で「な」「の」に変化する助詞「に」の本質音 【1】近畿語で「しもつ枝」が「しづ枝」になる理由。 雄略記歌99では「下つ枝〈斯毛都延〉」が「しづ枝〈斯豆延〉」とも記される。「しもつ」の「も甲つ」が「づ」になる遷 … 続きを読む
【1】なソ用法での動詞は語素形Y用法 (1)なソ用法の用例。 「な+動詞+ソ」の形で禁止を表す用法(ソは略されることもある)をなソ用法と呼ぶ。 なソ用法では、サ変・カ変は未然形の形になり、サ変・カ変以外は連用形の形になる … 続きを読む